カナダのスピーカー工場の社長さんはとても気さくな人でした。
カナダのスピーカーはキャビネットはもちろん、スピーカーユニットもウーファーは現地製を使用して作り、大体のデザインは日本で行うものの細かなスピーカーの位置や取付穴、ネットワークなどは現地で調整して作り上げました。
そんなわけでカナダの滞在は少し長くなるのですが、休みにはカナダの湖に釣りに行ったり、やはり車好きなので自慢のフェアレディーZのT-バールーフ仕様でカーレースを見に連れていてくれたりしてくれました。
カナダ人はかなりおおらかなようで、オーディオショップのスピーカー売り場に行った時は、壁に掛けてあったスピーカーのウーファー取付穴がフレームサイズに対して小さすぎ、ウーファーがバッフルから1cmくらい飛び出ているのに、無理やり長いネジで止めてあるスピーカまでありました。 これは問題外ですが、カナダ製の材料で作るとなぜか日本の木材やコーンではまねできないようなカラッとしたいい音が出るのが不思議です。
彼の工場にはいつも2-3人の警察官がいて、時にはトンカチを持って壁などを修理していました。不思議なので聞いてみると、彼らは職務中だが、暇なのでここに来てアルバイトをしているのだそうです。
社長と警察官は友達だそうで、クリスマスイブなどは50人もの警察官がこの工場に集まってビールで乾杯をした後、飲酒運転の取り締まりに出て行ったと言っていました。缶ビール1本くらいは警察官でも問題ないようです。 そういえば、ドイツの木工工場の中にあった自動販売機には缶ビールも売られていましたし、AKAIフランスの社員食堂ではレジの脇に普通にワインのミニボトルが置いてありました。
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